5分でわかるヨットの知識シリーズ : #1 ヨットに関わる風

By | 2017/12/04

ヨットは風と対話し、帆を状況に合わせて操って海上を自由に進む乗り物。

ディンギー、クルーザー、レースボート、艇のサイズや計器の有無はありますが、風を味方につけるため、風に関する知識をつけましょう。

 

ヨットに関わる風の情報には、いろいろなものがあります。TWA、AWS、etc。
これってなに?

簡単に言うと、ヨットの上(動いているものの上で感じる)風、と止まっているところではかっている風が違って見えるというお話。

TWS、TWD、TWAといった“T”で始まる数字は、“True”の”T“で、基本的に止まっているところを基準とした風の情報を意味します。
TWS True Wind Speed (真風速;今何ノットのかぜ吹いているの?というときの風速)
TWA True Wind Angle (真の角度;今どの角度で上っているの?というときの風に対する角度)
TWD   True Wind Direction (真風向;今どっちの風?北、南?というときの風が吹いてくる方向)

これに対して、AWS、AWAといった“A”で始まる数字は“Apparent”の”A“で、動いているものの上で感じられる風を意味しています。

AWS Apparent Wind Speed (見かけの風速;ヨットの上で感じられる風速で、通常、ダウンウインドでは、低く、アップウインドでは、高く感じられます。)
AWA Apparent Wind Angle (見かけの角度;ヨットの上でヨットの進行方向に対して、どちらの方向から風が吹いているかを表す風)

winddiagram

これらの風の特徴は、ヨットの進むスピードにも関係してくるので、スピードが速いヨットであればあるほど、アップウインドを走る時には、風が強く感じます。逆に風から離れていくダウンウインドでは、ヨットのスピードと風速が近ければ、風が弱く感じます。
フォイリングをするようなヨットでは、風速に対して艇速が非常に高いので、2017年のアメリカズカップボートなどでは、アップウインドでも、ダウンウインドでもこの見かけの角度(AWA)が小さくなり、普通のヨットで言う、アップウインドのような状態で走ることになっています(だから、スピン、ジェネカーといった通常のダウンウインドセールを使わないんですね。)

上手なセーラーはこの、Apparentの風を敏感に感じており、たとえば、風がふっと落ちる“ラル”に入るとAWAが前に回るので(艇速が風速に対して高くなるから)、それを見込んで舵の操作をしていきます。
ダウンウインドでは、風、艇速による、Apparentの風の変化が大きくなり、これに応じてセールトリムを変える必要があります。上手く“Groove”(走りやすいところ)にはまっている時には、セールトリムを大きく変えずに走り続けることができます。こういうときには、艇速や、風速が変わっていても、AWA(見かけの角度)を大きく変えずに走れている状態とも言えます。

次回はVMGとVMCのお話しの予定です。お楽しみに。