Japan Melges Week 2018

投稿者: | 2018/12/04

Japan Melges Week (第5回全日本Melges20クラス選手権)を圧倒的なスコアで3連覇を決めた SWIFT MAGIC (平川猶基オーナー/ヘルム)のタクティシャンを務めた松永鉄也選手から、Japan Melges Weekのレポートが届きました。
リグセットアップだけでなく、タクティクス・ストラテジーに関しても非常に参考になる点が盛りだくさんです。
今年は久しぶりに海外チームの参加もありましたが、手ごたえを感じられたチームも多くあるのではないでしょうか?
またオンザウォータージャッジの採用、ゲートマークの採用等、海外レース基準に沿った素晴らしい内容の大会でした。
ノースセールは来シーズンも引き続き、合同練習会等を通じて、Melges20フリートをバックアップしていきたいと思っております。
まずは、Japan Melges Week を振り返りながらレポートに目を通して頂き、次のセーリングのイメージを沸かせてみてください。

SWIFT MAGIC チームの皆様、優勝おめでとうございます、
松永選手、素晴らしレポートを有難うございます。

メルジェスウィーク2018 SWIFT MAGIC Race Report by 松永鉄也

[リグセット]
Base Setting
マストレーキ:9290mm
トップスプレッダー:65mm(スプレッダー end to end)
ボトム:1430mm
アッパー:38
ダイヤモンド:27
ロア:31
使用セール
メイン:Mi-2 3Di RAW
ジブ:Ji-2 3Di RAW
ジェネカー:V4 2R Reacher
※テンションゲージはPT1使用

レース毎のアッパーの回転数

Race1 Race2 Race3 Race4 Race5 Race6 Race7 Race8
7 4 0 8 6 4 2 0

ダイヤモンドはアッパー+3回転の中で調整。

初日、2日目はパフとラルで強弱が激しいコンディションでしたが、あまりリグを詰めすぎないように意識しました。その結果、早くラルの中を切り抜けることができました。ラルである程度のヒールを維持できることを軸に考え、ヒールの入り方が心地よいウェザーヘルムになるようにアッパーテンションをコントロールしました。
Race3は少し風の読み違いもあり、多少リグが緩くスピードにつながらないヒール(サギング量が多い)が入っていたためロアートラックを多めに下げて、サギングを減らしました。その分セールの下部が深くなりましたが、ダイヤモンドを入れることである程度対処できました。

[タクティクス、ストラテジー]
Upwind
パフの足が早く右、左と交互に入る展開となりましたが、パターンが決まっているわけではありませんでした。SWIFT MAGICが意識したことはとにかくパフの中に長くいること。そのためには多少のヘダーでも我慢して走ることを心がけました。しっかりと風にさえ入れば長いリフトを走ることができましたが、シフトに合わせて振れタックし過ぎるとレースエリア中央で展開することを余儀なくされ、どちらの海面の風も長い時間乗れなくなることが一番ダメな展開に感じました。右と左で風がファイトしている場所は風が弱く不安定でタックの回数だけ増え結果的に左右に大きく出た艇に負けてしまうことが多々あったのではないかと思います。上マークが葉山よりか鎌倉よりにあるのかも風の入り方を考える上での判断材料になりました。

Downwind
Upwind以上にパフの中に長くいることを意識しました。パフの幅がない場合はパフの中に長く入れるタックを選択。その中でスピード、ロー(ソーク)両方のモードが選択できるようなコンディションではローを選択。パフが安定して続く場合はスピードモードを選択。パフのエッジが近づきでラルに入るようであればジャイブを選択していました。ジャイブはできる限りパフの中で行うことでジャイビングアングルがワイドになり、ジェネカーの移動幅を減らすことができます。またスピードビルドも容易になりリスクヘッジできました。

• 基本的には初日、2日目の総評です。